平成30年度理学部生命理学科ラボ配属・テーマの例

平成30年度11月よりラボ配属される理学部生命理学科3年生のテーマについて、下記の研究内容に興味がある学生さんを、歓迎します。

【テーマ1】(修士課程への進学希望者限定)

新規の糖部骨格を有する立体構造を制御した核酸医薬品の開発

  • 化学的架橋により糖部コンフォメーションを固定した非天然オリゴヌクレオチドは、生体内で通常の核酸よりもすぐれた性質を示します。このテーマでは、有機合成の諸技術を駆使して、天然にはない新規の骨格の人工核酸分子を合成します。さらに、その物性・熱力学的安定性を評価して、アンチセンス医薬品・アプタマー医薬品などのオリゴ核酸に導入し、薬理活性を評価、実用化を目指します。
  • こんな人にオススメ
    本格的な有機合成技術をイチから身に付けたい
    化学に興味があるけれども都合で生命理学科に進学してしまった
    最近話題の核酸医薬について学びたい
    核酸医薬を扱っている製薬企業に就職して活躍したい
  • 参考記事(PDF)

【テーマ2】(4年で卒業して就職(企業・公務員・教員)を目指す学生も可)

PDZドメイン阻害剤の植物成分からの抽出・合成・構造活性相関

  • 当研究室では、いくつかの植物材料(例えば市販の漢方薬・ハーブなど)の抽出エキスに、PDZドメインに結合したり、タイトジャンクションのバリア機能を制御する活性がある化合物が含まれていることを確認しました。4年で卒業する予定の学生さんには、限られた時間で特に分析化学・(簡単な)有機化学・ケミカルバイオロジーの知識を学んでもらうために、いろいろな種類のPDZドメイン結合化合物を取り扱い、その特徴を調べてもらいます。スケジュールが許せば、培養細胞を使った細胞生物学の実験も学んでもらいます。
  • こんな人にオススメ
    化学に興味がある
    化合物が細胞や人体に効くメカニズムに興味がある
    機器分析、分析化学、植物化学に幅広く興味がある
  • 参考論文

【テーマ3】(修士課程への進学希望者限定)

上皮タイトジャンクションを制御する化合物の薬理学またはケミカルバイオロジー

  • 細胞接着は、組織や臓器の形成に必須であり、その異常はがんや炎症、アレルギーなど多くの疾患の原因になっています。細胞接着装置は、上皮細胞でよく発達しており、 タイトジャンクション(TJ)とアドヘレンスジャンクション(AJ)と呼ばれています。特に、TJではクローディンが細胞間のすき間を埋める接着分子として働いていると同時に、細胞質にある足場タンパク質により機能が動的に制御されています。このテーマでは、特に皮膚のバリア機能を制御する分子に注目して、新規分子を探索したり、タイトジャンクションを抑制・強化する分子と、他の皮膚バリア機能を制御するシグナル伝達系(リン酸化・ユビキチン化)とのかかわりを調べます。現在進行中の化粧品メーカーとの共同研究に参画してもらうことがあります。
  • こんな人にオススメ
    皮膚科学に興味がある
    化粧品に興味がある
    将来化粧品メーカーで働きたい(女子が活躍できる分野としてオススメ)
    培養細胞を利用した実験をやってみたい
    企業との産学連携共同研究に興味がある
    共同研究に参画した場合はメンバーとして節度ある行動がとれる
  • 参考論文
    [論文1] [論文2] [論文3]

【募集人員】

  • テーマ1より1名
  • テーマ2または3より1名
  • 計2名(上限)
Updated: 2018/10/02 — 16:37